うつ病の人の気持ちを軽くする接し方のコツ2選【精神科から学ぶ】

うつ病
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精神科のリハビリって、誰が何をするの?

精神科のリハビリは、作業療法士が担っていることが多いです。

作業療法士は国家資格であり、様々な作業を用いて患者さんにリハビリを行います。(実は私もこの資格をもっています)

特に精神科では、例として陶芸や籐細工などの作業、散歩や球技などの軽い運動を患者さんに対して提供します。

個々の患者さんによって、また疾患の病期によって提供する作業は様々なため、例に挙げた種目以外にも幅広い作業が治療に用いられます。

「朝起きたら植物に水をやる」とか、そういうところからリハビリを始める人もいますよ。

うつ病の人の気持ちを軽くするコツ2選

精神科のベテラン作業療法士、A先生から聞いた話を2つまとめます。

この先生、超ベテランで今は作業療法士の卵を指導している立場の方。

スゴい先生なんだけど、話していて全く緊張しない!笑

私自身、この先生と話していると気持ちが軽くなります。

この先生みたいにコミュニケーションがとれたら、うつ病の当事者の方の気持ちも軽くできるのかもって思います。

悩んでいる方の参考になればとても嬉しいです。

①失敗は隠さない

A先生は天然ボケなところがあります。

初めて行く場所ではほぼ100%道に迷うから下見は必ずするし、話している時によく噛むし、よく段差につまづく。周りからよくいじられています(笑)

でも、精神科の作業療法士としては天然ボケは宝なのだそうです。

どういうことかというと、たくさん失敗しながらもなんとか社会で働いている背中を、患者さんに見せられるからだそう。

それを見た患者さんは、失敗しても良いんだと感じ心の余裕をもつことができるのです。

失敗談はどんどん話す。

そして、失敗を克服しようと努力している姿をきちんと見せる。


それでも「またA先生、失敗してる~」と笑われてしまうこと自体が、治療となっている。

「私も完璧に生きるから、あなたも完璧に生きてね」という関係性もカッコイイけれど、きっといつか息切れしてしまう。

「私も完璧じゃないから、苦手なところは助けてね。あなたが失敗しても助けるから。」とお互いを補い合う関係をつくる。

責任感がないように見える人もいるかもしれないけれど、人として自然なのは後者だと私は思います。

自分の失敗談、どんどん話しましょう。

②心配事の本質をみる

A先生が担当していたうつ病の患者さんで、リハビリ中に全然休憩しない患者さんがいたそうです。

休憩しないというより、休憩ができないという方が近いかもしれません。

「リハビリで早く作品を完成させて結果を出すことで、担当医からうつ病が治ったと認められたい」という気持ちが強すぎる人でした。

A先生が休憩を促しても「自分には必要ない」と受け入れてくれません。

しかし実は、A先生が考えたこの患者さんのリハビリ目標は、「休憩することを覚える」ことでした。

何事も頑張りすぎる傾向にある患者さんだったため、しっかり休憩を取り入れることをリハビリを通して身に付けてほしかったのです。

また、他者の意見を取り入れることもできるようになってほしいと考えていました。

強すぎる頑固さは周りとの衝突を増やし、人間関係のストレスを大きくしてしまうことがあるためです。

他者の意見を聞くこと、休憩の仕方を覚えることが、うつ病再発を防ぐ第一歩だとA先生は考えていました。

そこでA先生は、患者さんと15分交代で作品作りを進めるという方法を提案したのです。

交代で作業することで、Aさんが休憩している最中にも作品作りは進みます。

この条件でAさんは休憩を承諾しました。

頑なに休憩を拒否していた患者さんが、A先生の提案を受け入れ、休憩をすることができたのです。

条件付きの小さな一歩ではありますが、これをきっかけに患者さんは少しずつ柔軟な考え方を学んでいったそうです。

このケースでは、なぜ患者さんが休憩を拒否するのか、その拒否の裏にあるのはどのような不安なのかを考えて対応したところがポイントです。

患者さんの最初の考えはこうでした。

早く作品を作らないと医者に認めてもらえない→休憩したくない

しかし、A先生の提案によって以下のように変化したと考えます。

早く作品を作らないと医者に認めてもらえない→休憩したくない→休憩中もA先生が作業を進めてくれる→自分が休憩しても作品を早く完成させることができる→それならまあいいか

休憩することで作業が遅れることが患者さんの不安だったのです。

それを考えず、「休憩は大切だ!」と繰り返したところで患者さんの反応は変わらなかったでしょう。

薬や病院などを拒否する患者さんも多いです。

それぞれが拒否する理由を抱えています。

その拒否の根本にある不安に向き合って、一緒に対応策を考えてあげられると良いと思います。

相手の話や置かれた状況から、心配事の本質をみることで、相手の気持ちを軽くできるポイントを発見できるかもしれません。

まとめ

自分をよく見せようとしないこと、相手の話をよく聞くこと。

コミュニケーションの基本だなーと思いつつ、私も普段なかなかできていないなーと感じました。

これを機に、実践していこうと思います!

うーん、そう考えると、人間らしく自然に生きていくこと、自然に人と関わることがうつ病改善の基本なのだろうか。

これからも記事を書いていくなかで考察していきたいです!

あ、A先生、教えてくれてありがとね~。

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